「富士」に揺られた夜(下)
#01 B寝台の廊下にて。大畠駅付近
ニコンD700、Ai AF-S Zoom Nikkor ED 17-35mm F2.8D(IF)、17mm、1/25秒、F2.8、マニュアル露出、ISO5000、WBオート、PLフィルター使用
寝台特急は、何度乗っても興奮です。
幼い頃からあこがれだったブルートレイン。高校生の頃、家族で故郷の九州へ旅行した時に乗ったのが初めてでした。興奮で眠れなかったのを覚えています。
「ガシャン」
ちょっとした衝撃音とともに列車が走り出します。するするとホームから滑り出す列車。
そのうち、ゴトンゴトンと心地よい音ともに体が揺られます。
「プツッ」とスピーカーから音が鳴り出し、車掌のアナウンスが始まります。
「この先の停車駅と時刻をご案内いたします。次の柳井には、9時35分に着きます。岩国、10時01分。広島、10時35分。尾道、11時48分...」
車窓には、通過する駅の灯りが流れ去り、踏み切りの警報音が鈍く流れてゆきます。
車掌の「おやすみ」放送のあと、すっかり車内は静かになりました。
いつもは寝台特急では興奮してなかなか眠れないのですが、疲れがたまっていたためか、「獺祭」の小瓶を傾けるうちに眠りに落ちました。
翌朝は07:00ころに目覚めて車窓の景色を眺めました。
窓から、この列車と同じ名前のその山を。快晴の空に美しくそびえていました。
#02 車窓からの富士
ニコンD700、タムロンSP AF28-75mm F/2.8 XR Di、75mm、1/400秒、F8、マニュアル露出、ISO200、WBオート
オレンジと緑のラインのE231系と頻繁にすれ違うようになると、東京もそろそろ近い。
廊下の折りたたみ椅子に座り、駅で電車を待つ人の群れを悠々と眺めます。
車窓に高層ビルが迫り、列車は東京駅に着いてしまいました。
これがおそらく僕にとって、九州ブルトレ最後の乗車。
近い将来、ブルートレインを思い出話にしなければならない時代が来るかと思うと、暗澹たる気持ちになります。
JRには、寝台特急を多様な旅の選択肢の一つとして、料金やサービスの見直しと併せて残してほしかった。
残念でなりません。(終わり)
#03 東京駅到着後、客車の回送のため移動中のEF66
ニコンD700、APO 100-300mm F4 EX DG /HSM、300mm、1/200秒、F4、マニュアル露出、ISO640、WBオート
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