#01 客車先頭部分よりEF66連結部
ニコンD700、Ai AF-S Zoom Nikkor ED 17-35mm F2.8D(IF)、17mm、1/60秒、F3.2、マニュアル露出、ISO5000、WBオート
山口出張では「富士・はやぶさ」を撮っただけではありませんでした。
なんと12月27日の夜に「富士」に乗車して東京へ戻ったのです。
東京と九州とを結ぶ寝台特急に乗るのは、おそらくこれが最後。寂しいけれど、楽しい楽しい一夜の旅でした。
山口で仕事のあと、その日のうちに東京に戻るには小郡(新山口)を最終19時前の新幹線に乗る必要がありました。
#02 「富士」と「はやぶさ」の連結部分
ニコンD700、Ai AF-S Zoom Nikkor ED 17-35mm F2.8D(IF)、17mm、1/60秒、F2.8、マニュアル露出、ISO2000、WBオート、フラッシュ使用
僕は、山口の前の仕事場所の広島で、はたと「富士・はやぶさに乗ればいいじゃないか」と気付き、みどりの窓口に急いだのでした。
幸い、B寝台開放の上段なら空きがあり、難なく席を確保しました。
夜、小郡のホームでわくわくする気持ちで待つ僕の前に、「富士・はやぶさ」は定時で現れました。
#03 紙コップ
ニコンD700、Ai AF Nikkor 50mm F1.4D、1/60秒、F1.6、マニュアル露出、ISO3200、WBオート
先頭車輌に乗り込んで、前から順に自分の号車を目指しました。
廃止直前のブームに加え、年末で、日曜夜だったせいか、かなりの乗車率。空席はさほど目立ちませんでした。
向かい合わせの開放寝台が、家族連れや親子、夫婦、友達どうしといった乗客でにぎわう光景を見て、うれしくなるとともに、いつもこうしたにぎわいなら廃止にならないのだろうな、こういう光景がもう見られなくなるなんてと寂しい気持ちにもなりました。
しばし車窓の風景を楽しんだり、写真を撮ったりして興奮して過ごしたのち、寝台に上がって浴衣に着替え、用意していたものを取り出します。
小郡の駅で、「日本酒の小瓶でも買うか。もちろん大手の酒は論外。地酒の、それも純米吟醸以上の小瓶てなかなかないけど、ないかなぁ」と思っていたら、山口の地酒「獺祭」の「純米大吟醸」の小瓶が冷蔵庫で冷やされて売っているではありませんか。
「なんと、話のわかる」
「富士」の優しい振動に揺られながら、銘酒の小瓶を傾ける。
最高に贅沢な、豊かな夜が更けていきました。(続く)
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