僕は今、生まれ故郷の福岡にいます。
福岡というよりも日本を代表する伝統行事、博多祇園山笠を5年ぶりに観に、そして撮りに来ました。
山笠は、福岡の博多で700年以上の伝統を誇る行事です。
櫛田神社の氏子たちによる奉納行事で、かつての町割りに起源をもつ「流(ながれ)」という区域ごとに山笠とよばれる山車を担ぎ、地域を巡ります。
山車といっても車輪がなく、舁(か)き手たちが担ぎ、その速さを競うというもの。
「オイッサオイッサ」という掛け声とともに山が駆け抜け、沿道から「勢い水(きおいみず)」が掛けられるさまは、見ているだけでも血が沸き立つようです。

とりわけ、山笠が動き出す10日から、クライマックスである「追い山」の15日にかけては、祭りの興奮は最高潮に達します。
福岡市に生まれながら、そこで過ごした8年間に一度も山笠を見たことがなかった僕は、2002年に初めて見る機会を得ました。
その時に見たのは、10日の「流れ舁き」。行事中初めて「山が動く」日であり、各流の区域内でそれぞれ山が舁かれます。
たまたま仕事で福岡を訪れたついでだったので、その日だけしか見られなかったのですが、その魅力にとり憑かれました。その時の写真は、僕のホームページの「君住む街へ」で紹介しています。当時の撮影枚数の少なさに驚きますね(笑)
その翌年には初めて、12日以降の「追い山ならし」や最後の「追い山」を見ました。

幸い、というか、山笠に対する情熱のせいなのか、今日はやっと頭痛が引いてなんとか山笠を楽しむことができました。
久しぶりということで、今日はやっと山笠の感覚を取り戻した気分です。
病み上がりのため体力が低下していて、重いカメラ機材を抱えて山を追ってのダッシュは鈍いものがありましたが(笑)。

5年の間に、D2Hを飛び越えてD3での撮影となりました。全幅の信頼をおけるカメラであり、なんとも頼もしいものです。
しかし、このカメラをもってしても、一瞬で表情が変わったり、群衆となった男たち同士が目まぐるしく位置関係を変える状況では、思い通りの撮影とはいかないものです。
撮っている時は夢中。カメラと脚立を抱え、息を切らして走り、あとで見た時に「この一瞬」を切り取ったといえる一枚を願ってシャッターを切り続けました。

リハーサルとはいいえ、期間中2番目の盛り上がり。舁き手たちも、観客も、相当の意気込みです。
最初は櫛田神社前に陣取りましたが、一番山笠がスタートする1時間半前から待ち続けました。
明日の行事も夕方から。行事も最も緩やかな「集団山見せ」です。
今夜はゆっくり寝て、体力を回復したいところです。
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