愕然となるニュースに接しました。
福岡県筑豊地方の、旧国鉄伊田線などを引き継いだ第三セクターの「平成筑豊鉄道」が、35のすべての駅名と車輌の命名権(ネーミング・ライツ)を売り出すというのです。
企業名などを現駅名と結合させる形にするとのこと。
さらに、車輌の名前も売り出すとともに、全面広告ラッピングの権利を付けるそうです。
僕は、この命名権というやつが虫唾が走るほど大嫌いで大嫌いでしかたありません。
世の中のありとあらゆるものを企業のもうけの対象にし尽くそうというもので、忌々しいことこのうえないです。
最近の命名権は施設名から始まりました。
その施設がある日突然、何の関係もない企業の名前に変わってしまう奇々怪々さ。
「渋谷C.C.レモンホール」なんて、僕は口が裂けてもいいません。
僕が最近まで住んでいた仙台でも、新球団・楽天イーグルスの本拠地となった県営宮城球場(いい名前だ)が、「フルキャストスタジアム宮城」になり、その後この悪徳人材派遣業者の不法行為により、名前を変えざるをえなくなり、今は「クリネックススタジアム宮城」になっていることは周知の通りです。
僕はずっと「宮城球場」と呼んでいます。
この前、宮城県民会館が「東京エレクトロンホール宮城」にされていることに気付いて腰が抜けました。
はぁ!?東京にあるんですか?このホールは。ふざけんじゃないよ。
そんな命名権が、愛すべき鉄道の駅に。頭がくらくらしてきます。
しかも、今回調べてわかったのですが、鉄道への命名権の導入はすでに前例があるのですね。富山ライトレールやえちぜん鉄道で。不覚でした。
この2路線での導入状況は、一応権利を買った企業の社屋が最寄り駅となっているようなので、何のゆかりもないものに比べれば百万歩譲ってましとはいえますが。
しかし、今回の平成筑豊鉄道(この平成を冠する社名がすでにダメなんだが)の場合は、ゆかりのない企業名が付くのではないかと心配しています。
こんな駅への命名権がさらに広がって、駅名が変わり、それでもし、長年使われてきた味わいのある駅名標が取り替えられることになったら…。
時刻表の路線図が、企業名で埋められるようなことになったら…。
怒り狂って死んでしまいそうです。
それから、僕は鉄道車輌やバスの広告ラッピングも大嫌いです。
美しい鉄道車輌の外装を、金儲けのための企業の広告で汚すという、絶対に許せない行為です。
車輌内の吊り革やドア横の座席とのあいだの壁にも広告をプリントしている車輌がありますが、醜いです。
僕が愛した常磐線の103系が一度も広告ラッピングに汚されることなく引退したのは、せめてもの救いでした。
平成筑豊鉄道が命名権の導入を決断せざるをえなかったのは、何もあざといからではなく、なりふりかまっていられないほどの経営難だからです。
その責任は、公共交通中心の交通政策を持たず、日本をマイカーがなければ人間にあらずという醜い社会にしてしまった政府、財界などにあります。
それでも、やっぱり今回のような命名権導入はしてほしくなかった。残念です。
(写真は田川伊田駅近くで2004年8月撮影、右は旧三井田川鉱業所伊田竪坑櫓)
