2007年12月アーカイブ

2007.12.31(月)

DSC_0262.jpg

 ニコンD3購入のため、4年間愛用してきたD2Hを売却しました。
 昨日、僕の手元から離れました。

 2001年にオリンパスのCAMEDIA 700UZというデジタルカメラを手にして、僕の写真への追求が始まりました。
 02年の夏には徳島の阿波踊りを見て、その素晴らしさに感動。そのカメラではとても写しとめられず、よりよいカメラを求める旅が始まりました(笑)。
 その年の秋にはミノルタのDimage 7Hiを購入。当時14万円もしました。
 この7Hiを購入する時に、少しでも連写ができるものがほしいと思ったのですが、その要求に応えるのはキヤノン1DとかニコンD1H。値段のケタが違いました(笑)
 その後手を出すことになるとは(笑)。

 7Hi購入から1年もたたない03年夏。僕はもう飽き足らなくなっていました。
 もっとAFが速く、連写ができるカメラがあれば…。

 「一眼レフってどういうカメラなんだろう。ずいぶん難しそうだし、お金もかかりそうだけど…」

 ヨドバシカメラで初めてデジタル一眼レフに触れた時(それがD1Hなのか1Dなのかは覚えていません(笑))の衝撃は忘れられません。
 フォーカスフレームが赤く光って、ピントが合う。そのスピードがあまりに速過ぎて、はじめはピントが合っていることに気づきませんでした。レンズが超音波駆動だったから音もしませんでした。

 「これがカメラというものなのか」

 ちょうど間もなく、ニコンが秒8コマという高速連写を搭載したD2Hを発表しました。
 僕はついに一眼レフへ移行することを決め、予約をして発売日に購入しました。

 D2Hは僕にとって初めて、「写真が撮れるカメラ」でした。
 初めて手にした一眼レフ。すべてが驚きでした。
 ピントは瞬時に合う。動く被写体を追い続けてくれる。それまでのカメラより遥かにクリアな画質。画面の周辺もきれい。特に、テレコンを付けても周辺がとてもきれいなのはすごいと思いました。7Hiでテレコンを付けると周辺があまりに汚くなって悲惨でした。
 フラッシュも外付けになり、天井に反射させての撮影が基本になりました。内蔵フラッシュの7Hiの時とは、被写体の美しさが別次元でした。

 それ以来の4年間、D2Hは僕をカメラマンとして育ててくれました。
 4年間に約6万ショット。僕の写真作品作りをすべて支えてきたのがこのカメラでした。
 東北各地の印象深い祭りの数々。秋田・横手のかまくら、仙台の青葉まつり、岩手・水沢の日高ひぶせまつり、秋田・小町まつり、福島・原町の相馬野馬追、そして今年夏の夏祭り総めぐり。
 宮城・柴田町の「一目千本桜」、岩手・北上の展勝地公園の桜、仙台市の資福寺のアジサイ、山形・山寺の紅葉と、四季の光景を収めてきました。
 「本業」の鉄道撮影では、寝台特急「あさかぜ」の最終日、北海道ちほく高原鉄道、憧れの餘部橋梁、寝台特急「出雲」、首都圏の通勤を支え続けた103系、113系、くりはら田園鉄道、花輪線、山田線、岩泉線のキハ52・58系…。歴史に名を刻んだ列車たちをファインダーで追い続けてきました。

 獅子奮迅の働きをしてきた勲章として、ボディには結構傷が目立ちましたが、初期の露出異常(メーカー対応)以降は何一つトラブルがありませんでした。
 手放す直前に最後の姿を後輩・D3で撮っておきました。

 まだまだ使えるカメラ。僕の手元で眠らせておくよりは、新しい所有者のもとで活躍を続けてほしいものです。

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 小雨が上がった昨日の午後、ニコンD3による初の鉄道撮影に、今年の鉄道撮り納めを兼ねて行って来ました。
 記念すべきD3初の撮影地は僕の「庭」である常磐線です。

 行って来たのは、北小金駅ホーム端、柏─北柏間のカーブという定番の2ヶ所です。
 結構寒く、手袋もして行かなかったため、列車を待つ間は辛かったです(笑)。
 東北だと厳重な防寒着で行くんですが、こっちの冬にはおおげさな服装になってしまうので、どうしようと思っているところです。
 できるものなら、いかにも撮り鉄という感じがなく、ファッション性もあるにこしたことはないし…。
 カメラ関係だけでなく、撮影に行く服装にまで「沼」があるとしたら恐ろしいことです(笑)。

 さて、今回はD3の性能を鉄道撮影で試すということが目的でした。
 ただ、前回書いた通りコンタクトレンズのトラブルにより眼鏡をかけているため、(1)眼鏡がカメラにぶつかってずれるのが落ち着かない(2)当然ながら眼鏡の枠外はぼんやりしている(3)そもそも眼鏡の度がちょっとずれている(笑)─という三重苦により、大好きな鉄道を撮っているのにいまいち楽しくなかったです。
 D3の威力を楽しむには、コンタクトの復活が不可欠です(笑)。

 それでも何とか撮ってみての実感ですが、3Dトラッキングの性能は微妙でした。
 北小金の直線を向かって来る列車を、いつもなら置きピンで撮るところをあえて3Dトラッキングを試してみました。
 カメラの構図は変えず、フォーカスフレームを真ん中やや後方にとり、列車先頭部が来たところで合焦開始。そのままピントを合わせ続けて先頭が画面左のほうまで来たところでレリーズ!というのが目論見でしたが、なんと列車3本で試してピントが合ったショットは0枚。散々な結果に終わりました。
 また試してみようとは思いますが、このケースでは使えないかもしれません。
 もっとも、直線なら置きピンで十分ですが。

DSC_0328.jpg

 次に、柏─北柏のカーブを曲がってくる列車ですが、こちらは希望を感じさせる結果でした。
 カーブを曲がり始めたところで合焦、ほどなくレリーズ開始。ぐんぐん手前に迫って、先頭が画面の大部分を占めるまで撮り続けたところ、最初のフォーカスがちゃんと合えば、その後も追従しているケースが多かったです。
 もちろん、ピントがドンピシャでシャープというわけではありませんが、十分許容範囲内でした。

 今回スタートが遅かったため、あっという間に夕暮れに。1枚目のほうは日没時間を過ぎたあとの撮影、2枚目も直前の撮影によるものです。
 1枚目はISO6400で1/320秒のシャッタースピードを確保しました。日没直後でまだ明るさが残っているといえ、このシャッタースピードでこの明るさ。鉄道写真をも変えるカメラですね。

 秒9コマの連写をしていて、また怖いことに気づきました(笑)。
 CFはトランセンドの266x 4GBを使っているのですが、転送速度の関係で17コマ連写したところでカメラのバッファが一杯になり、CFへの転送が終わるまでしばし待たされるのです。
 これはカメラ側でなく、CF側の問題です。余計な心配なく連写をするには、より高速な転送速度に対応したCFが必要ということです(笑)。
 具体的にいえば、SandiskのDucatiが必要でしょう。4GBなら15000円前後でしょうか?
 さらにいうと、そのCFの転送速度を生かしてPCに速く取り込もうとすると、現在使っているものより高性能なカードリーダが必要になります。
 その選択肢は少なく、SandiskがDucati向けに出しているIEEE1394b(Firewire800)対応のリーダあたりになります。
 すると(笑)、僕のPCにはIEEE1394bポートはないので、そのインターフェースボードを拡張する必要も出てくるかもしれません。
 見事なまでに、僕らの歩く道は沼だらけなんですね(笑)。もうここまで来たら、何から何までプロ仕様で固めますかね。

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2007.12.30(日)

DSC_0269.jpg  来年で眼鏡からコンタクトに変えて10年になります。
 コンタクトは日々の付けはずしなど管理の面倒さはあるものの、二度と眼鏡に戻れないほどの快適さがあります。
 慣れてしまえば、目に入れていることはまったく意識しませんし、何より眼鏡のような枠がなく、肉眼で見ているような気持ちになれることです。

 しかし、先日コンタクトを使ってきて最大のトラブルが発生しました。
 どうやらドライアイになったようで、目の表面を傷つけてしまいました。

 最近左目に妙に異物感を感じていました。何かゴミが入ったのかなと思って水で洗ってもまたすぐに異物感を感じました。
 そのうち異物感というより痛みになってきて、涙がたくさん出るようになりました。

 とうとう、先週の月曜にはコンタクトを付けていなくても左目が痛むという状態に。しかも、左目はぼやっとしてよく見えません。いよいよ非常事態だと思い、眼科へ行きました。
 診察した医師は「目の表面傷だらけですね」とゾッとする言葉(笑)。幸い、傷は治るもので、目薬を処方されました。もちろん、1週間ほどはコンタクトは中止です。
 おそらく、仕事でも自宅でもパソコンを使う時間が非常に長く、瞬きの回数が減って目が乾き、コンタクトが傷つけたのでしょう。

 コンタクトをはずして目薬を差すうちに、日に日に違和感はなくなり、左目の視力も回復してきました。2回目の診察では、だいぶよくなっているとのことでした。
 もっと日常的に目薬(人口涙液)を差さなければならないようです。今回のようなトラブルが、コンタクトの欠点ですね。
 あとは、コンタクトの紛失も非常にやっかいです。

 それでもなお、眼鏡に戻ろうとはまったく思いません。快適性が比較にならないからです。
 運悪く、ちょうどこのトラブルの真っ最中にニコンのプロ用デジタル一眼レフ・D3を手にしたのですが、眼鏡ではとても撮影しにくいです。
 ファインダーを覗く時に、カメラと自分の顔の間に眼鏡という異物があって、それがぶつかって少しずれたりするのは大変なストレスです。
 当然のことながら眼鏡の枠の外はぼやっとしているのも実に落ち着かない。
 首にかけたカメラを取る時にストラップがひっかかって眼鏡まで取れそうになった時は「絶対に眼鏡には戻らない」と思いました(笑)。

 こういうわけで、言い訳になりますが、D3を買ってからまだ一度も本当にじっくり撮影できていません。
 眼鏡が若干度が合っておらず、厳密なピント合わせがまったくできない(完全にAF任せ)し、構図も追い込みが足りないようです。

 コンタクトに戻って、D3のファインダーの素晴らしさを実感したいです。

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2007.12.29(土)

DSC_0220.jpg 昨日で仕事納め。過酷な日々からしばし解放されます。
 そして僕の手元には現時点で究極のカメラ、Nikon D3が。この休みの間、撮影を楽しみたいと思います。

 さて、ものすごく遅く起床した今日、夜に日比谷公園に行って少し撮影してきました。
 自宅を出てすぐに、小雨というには少し強い雨が降っていることに気づきましたが、やはり撮影したいという気持ちで雨が上がることを期待して傘も持たずに電車に乗りました。

 日比谷公園では「TOKYO FANTASIA 2007」という催しがあって、噴水広場などで大きなツリーなどのイルミネーションが灯されています。
 しかし、行ってみるとどうも僕の好みとは違いました。
 イルミネーションが今ひとつ素敵でないことに加え、周囲がコーンなどで完全に仕切られ、近づけないのです。
DSC_0233.jpg 思い切って寄って広角で撮ることがまったくできません。
 撮影意欲はぐんぐんダウンしました(笑)。

 催しよりよっぽど素敵なのが公園脇の日比谷花壇でした。蔦をはわせた洋風の入り口にわりと控えめなイルミネーション。淡目の青も好きです。

 近くで見ると今ひとつだった巨大ツリーも、公園をあとにして有楽町方面へ歩いて振り返ってみると、周囲の景色との取り合わせで少しいい感じに。
 帝国ホテルの電飾を前ボケに入れて撮ったあとは、東京宝塚劇場のあたりから撮ってみました。

DSC_0253.jpg そのあと銀座へ移動。雰囲気のある街並みを撮りたかったのですが、雨は弱まるどころか少しずつ強く…。
 和光の前に来ると、22:00を告げる鐘の音が。それに合わせるかのように雨脚がさらに強くなりました。
 もう撮影は無理。地下鉄の入り口に駆け込んで退散となりました。

【撮影データ】

●3枚すべてに共通する情報
カメラ:Nikon D3
露出モード:マニュアル
ホワイトバランス:オート
RAWで撮影、Capture NXで現像、補正

●1枚目(日比谷花壇)
Ai AF-S Zoom Nikkor ED 17-35mm F2.8D(IF)
24mm、1/60秒、F2.8、ISO3200
●2枚目(帝国ホテルから日比谷公園のツリーを望む)
Ai AF Zoom Nikkor ED 80-200mm F2.8D <NEW>
200mm、1/125秒、F2.8、ISO2500
●3枚目(東京宝塚劇場付近)
Ai AF-S Zoom Nikkor ED 17-35mm F2.8D(IF)
32mm、1/80秒、F4、ISO5000

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2007.12.28(金)

DSC_0164.jpg 「片手に」と書きましたが嘘です(笑)。ボディだけで1.2kgあるD3に、F2.8通しのレンズ3本を詰めたカメラバッグを肩から提げ、仕事の帰りに渋谷に寄ってきました。
 しかも、仕事が伸びて職場をあとにしたのが22:30。それから「coco壱」でカレーをかきこんでから渋谷に着いたのは23:00近くでした。

 今日は朝からその重いカメラバッグを持って出勤しました(笑)。
帰りにどこかでまた夜景を撮ろうと思ったのです。こんなに仕事が遅くなるとは…。

 渋谷も冬のイルミネーションが灯っているということで行ってきましたが、やっぱり雑然とした街です。
 昨夜の気品のある丸の内、有楽町とは大違い。けばけばしい看板、広告イルミネーションだらけで、絵になる光景が少ない。
 D3を持っていながら撮影意欲が上がりませんでした(笑)。

 渋谷駅ハチ公前に行ってみると、「青ガエル」とよばれた東急5000系電車がモニュメントとして置かれていました。
 昨年の10月からお目見えしたようですね。味わいのある車輌です。

 道玄坂、109、スクランブル交差点、宮益坂と、駅のすぐ近くの主だったところのみ1時間足らずでしたが歩いてみました。

 とにかく人の多いこと。カメラバックを提げて歩くのがつらいほどでした。今一つ、渋谷という街はなじめないようです。
 同じ混雑するなら、上野や浅草のほうがいい(笑)。

 撮影して、やっぱりD3のキレのよさが快感。
 D200のあとにD2Hを使うとねそのキレのよさに酔いしれるのですが、D3はさらにその上をいきます。
 うーん買ってよかった(笑)。
 革命的なほど高画質な上に、背面の液晶モニタが大変大きく、精細なため、撮った写真がすべて素晴らしく見えます(笑)。これはいいのか悪いのか(笑)。

 さて、写真を掲載するためのスペース作りのために話を引っ張ってきましたが、そろそろ書くこともないので、あとは参考に撮影データ を書いて埋めたいと思います(笑)。

●6枚すべてに共通する情報
カメラ:Nikon D3
レンズ:Ai AF-S Zoom Nikkor ED 17-35mm F2.8D(IF)
露出モード:マニュアル
ホワイトバランス:オート
Capture NXで現像、補正

●1枚目(青ガエル、渋谷駅ハチ公前)
22mm、1/60秒、F2.8、ISO1600
●2枚目(道玄坂)
25mm、1/80秒、F3.5、ISO3200
●3枚目(109)
24mm、1/80秒、F3.5、ISO3200
●4枚目(スクランブル交差点)
17mm、1/80秒、F3.5、ISO3200
●5枚目(渋谷駅東口)
17mm、1/80秒、F3.5、ISO2500
●6枚目(宮益坂)
17mm、1/60秒、F2.8、ISO2500

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2007.12.26(水)

 ついに、手にしてしまいました。そうです。ニコンの最新フラグシップ機、D3です。
 全然「ついに」じゃありませんね。過去の記事では、まだ買うのは先のことだといってきました。

 先日のエントリーでも、こう書いていました。

経済的には疲弊しています。
 なので、当分は買おうにも買えないので、あまりそわそわした気分ではありません(笑)。それに、色々と性能的に不足を感じるようになったとはいえ、僕の手元にはD2HとD200という素晴らしいカメラがあります。
 しばらくは資金をため、発売後の評判を見て、不具合の解消など熟成を待ちたいと思います
。 

 この発言とは矛盾する、こんなに早い購入。そこには色々条件の変化や事情がありますが、割愛します(笑)。
 とにかく圧倒的な高画質、特にD2Hと比べるとそれが際立ちます。
 今まで撮れなかった写真をも可能にする画期的な新機種を、入手せずにはいられませんでした。 D3が実現している性能が、僕に必要なものばかりだからです。そのことはまた改めて書こうと思います。

 昨日入手し、一度帰宅してから説明書も読まずに東京の冬の夜景を撮りに行ってみました。
 冬のイルミネーションの点灯時間はほとんど終わりに近い時間でしたが、1時間ばかり有楽町で撮ってみました。

 高感度での驚くほどの高画質は、わかってはいたものの感動します。
 これなら誰でも上手な写真が撮れると錯覚するようなカメラです。
 ISO2500、5000といった高感度でも画面を汚くするノイズがほとんどありません。
 これは夜の撮影で大活躍することになります。

 今回の記事ではいつもより写真を大きなサイズでアップロードしておきました。
 D3の高画質を見ていただくためにです。クリックで拡大します。

DSC_0056-s.jpg

 東京国際フォーラムの前で、はしゃぎ回っている小学生の女の子で3Dトラッキングを試してみましたが、十分にフォーカスが追従したとはいえませんでした。
 暗い中なので条件は厳しすぎたかもしれません。これは今後も色々な条件で試してみようと思います。

 東北夏祭り巡り、二度にわたる岩泉線訪問、ナナオの高性能モニタの購入と、ただでさえ経済的に疲弊していたため、D3購入はもっとあとになると自分でも思っていました。
 購入資金捻出のため、愛機・D2H、D200、ほとんど使っていなかったタムロンの28-300mm Ultrazoom、D200とキットで買ったニコンのDX用18-70mmのレンズなどを売却。
 かなり迷いましたが、これを機にフルサイズに移行することを決め、超広角のニコンのDX12-24mmも売り、AF-S17-35mm F/2.8を中古で買いました。大規模なシステム変更です。

 それだけの覚悟をする価値のあるカメラです。1時間使っただけで確信しました。

 

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2007.12.25(火)

 若手実力派女優・貫地谷しほりの主演で、事前から期待されたNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「ちりとてちん」。
 結論からいえば、あの「純情きらり」に迫るほど素晴らしい作品になっています。
 NHKに、まだこんな作品を生み出す力があったとは。それも、東京局に比べやや見劣りがするという評価もある大阪放送局の制作で。

 このままの調子でいけば、「ふたりっ子」を遥かにしのいで、BK朝ドラ史上の最高傑作となることは疑いありません。

 初めてとなる福井県を主な舞台に、一人の女性が落語家を目指して成長する物語。
 朝ドラとしては異例といえるほど自分に自信がなく、自己評価、自己肯定感の低いヒロイン・和田喜代美の少女時代から始まりました。

 偶然同姓同名で、喜代美と対照的にいつもスポットライトを浴びる清海(佐藤めぐみ)との関係を通じてコンプレックスを強めていった喜代美。
 祖父で若狭塗箸職人の正太郎(米倉斉加年)の言葉や友達の久ヶ沢順子(宮嶋麻衣)の激励を受けて、何とか自分の人生を切り開こうと大阪へ出て、偶然の出会いを通じて落語家の徒然亭草若(渡瀬恒彦)のもとでやがて修行を積むことになりました。

 始めから小気味よいテンポで楽しく見てきましたが、喜代美の奔走で徒然亭の再興へ第一歩を踏み出した第7週あたりからは、毎日のようにテレビの前で涙、涙…。
 「恋あり笑いあり涙ありの人情エンターテイメント」(制作統括・遠藤理史氏)という文句通りの展開になっています。

 3年前の徒然亭一門会の寄席という晴れ舞台で、愛妻の志保が余命わずかであることを宣告されたショックで高座に上がれなかった草若。この一件以来大阪の舞台に出演することはできず、徒然亭一門は廃業同然となっていました。
 喜代美は、散り散りになっていた弟子たちを草若のもとに呼び戻そうと努力します。

 特に泣けたのは、ホームセンターのような店の店員として働いていた一番弟子の草原(桂吉弥)が、落語家の道に戻ることを決意するシーン。
 妻と息子の颯太とともにそれなりに安定した生活を送っている草原は、今の生活を邪魔しないでくれと喜代美の頼みを断ります。
 しかし、妻の緑(押元奈緒子)は「私と颯太は幸せだけど、まーくん(草原の愛称)の笑顔は見てないよ」と、草原が本当は心の奥で落語家に戻りたい気持ちを持っていることを知っていて、温かく背中を押します。
 そこに、「せをーはやみー」と、落語「崇徳院」の一節を真似する颯太の声が響きます。
 喜代美の熱意と家族の眼差しに勇気づけられ草原は、「われてもすゑにあはんとぞ思ふ」と、一度は決別した落語の道へ戻る決意をするのでした。

 草若の家の向かいの居酒屋「寝床」で細々と始めた徒然亭一門の落語会。そこには、まだ高座に戻る決意の固まらない草若の名前はありませんでした。
 草若が3年前に一門会を欠席した理由を誤解していたために草若と関係が断絶していた、息子で三番弟子の小草若(茂山宗彦)は、その理由を知ったあとの高座でボロボロと涙を流しながら「寿限無」を演じます。
 亡くなった母への思慕と、父への屈折した感情を胸にしまい込んで、売れっ子芸人として虚勢を張っていた小草若の涙。こちらも泣けました…。
 感情を抑えきれずに高座を降りた小草若に代わって、二番弟子の草々(青木崇高)が「お前が上がれ」と促されていたその時、ついに草若が、客席から高座へ…。スローモーションのこのシーンに思わず息を飲むほど、すでにこのドラマに感情移入していました(笑)。

 四人の兄弟弟子の中で唯一、草若のもとを離れず、復活を夢見てきた草々。草若に稽古をつけてほしいと頼むと、草若は落語家に似合わないそのアフロヘアーを何とかしろ、といいました。
 草若のそのセリフでようやく、気づかされました。落語家である草々がなぜあんな髪型をしていたのか。
 「師匠がそういって下さるのをどれだけ待っていたことか」と涙をこぼす草々でした。

 自分は何もなしとげることができないと思い込んでいた喜代美の奔走によって、徒然亭草若という落語家が甦り、徒然亭一門の再興が始まったのでした。
 自分のことも変えられないと思っていた喜代美が人を変えていった。その時の喜代美はもう明らかにそれまでの自分から脱皮していました。まだ、そのことに気づかないだけでした。

 ドラマの素晴らしさは当然ながら、脚本だけではなく俳優陣の目を見張る好演によって支えられています。
 小浜の和田一家を構成する父・正典(松重豊)、母・糸子(和久井映見)、祖母・小梅(江波杏子)、叔父・小次郎(京本政樹)、それに序盤だけの出演だった米倉らはいずれも素晴らしい。
 正太郎を演じる米倉の存在感は圧倒的。「一生懸命生きてさえおったら、悩んだことも落ち込んだこともきれいな模様になって出てくる」と、塗り箸になぞらえた正太郎の言葉はドラマを貫く重みがあります。
 また、特に素晴らしいのは和久井。今まではどちらかとえいば清楚で可愛らしい女性を演じてきた和久井が、今回はゲンキンで落語家も真っ青のオトボケ母ちゃんを熱演。誰よりも喜代美を心配し、おせっかいだけど彼女を包み込む優しさに、こちらも心が温まります。
 小次郎役の京本は色物キャラで一歩間違えれば物語の中で浮いてしまうのですが、人物配置と演出の妙、そして京本自身の好演によってスパイスのような効果的な存在になっています。

 徒然亭一門の弟子たちを演じる俳優もいちいち素晴らしい。
 草原役の桂は唯一本物の落語家で、師匠の草若より落語がうまいのが欠点か(笑)。面倒見がよく優しい兄弟子を好演する姿に、ファンになってしまいそうです。大河ドラマ「新撰組!」に出ていたことをすっかり忘れていました。
 青木も、早くに両親を亡くし、草若と師弟愛に留まらず本当の家族のように強い絆で結ばれる草々役を熱演。ヒロインに最も影響を与える人物の一人です。
 四番弟子・四草の加藤虎ノ介もクールで理知的なキャラクターを、小草若の茂山もさきほどふれた高座のシーンをはじめ、文句ない好演です。
 そうそう、もちろん草若師匠の渡瀬恒彦も温かくて魅力的。他の一門の落語家を殴った小草若をかばって自分が殴ったと嘘をついた草々を叱り付けたシーンは珠玉でした。

 その渡瀬は、ヒロインの貫地谷について「彼女は強敵。負けたくない」と語っています。
 渡瀬をしてこういわせるとは、恐るべし貫地谷しほり。
 三枚目、コミカルなシーンから、ぐっと胸に迫る表情まで、実に安定した演技。今、朝ドラアカデミー賞をやれば「純情きらり」の宮﨑あおいを抑えて最優秀主演女優賞になると思われます(笑)。
 今回のヒロインにぴったりの彼女。彼女の演技力もさることながら、彼女をオーディションでヒロインに選んだことにも拍手を送りたいです。

 最後になりますが、将来の喜代美の立場でナレーションを務める上沼恵美子も、落ち着いた口調でよい。スタッフロールを見るまで誰だか気づきませんでした。

 オープニングテーマのピアノ演奏が松下奈緒ということに驚き。というか彼女がピアニストでもあったということに驚き。
 佐橋俊彦の音楽がまた素晴らしく、物語の感動をいっそう盛り上げてくれます。

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2007.12.24(月)

 最近コメントスパムがひどいため、やむをえずCaptcha認証を導入しました。

 ご存知の方は多いとは思いますが、コメント欄の下、投稿ボタンの上に6文字のアルファベットが表示されていますので、同じ文字列をキーボードで入力していただいてから投稿ボタンを押してください。
 従来に比べてコメントする際にお手数をかけることになりますが、ご理解ください。

 このCaptcha認証は、Movable Type 4から標準装備された機能です。
 当ブログがMovable Type 3.3からMovable Type 4にアップグレードしたことも、書いていませんでした。
 とにかく東京に戻ってから余裕がなく、ブログを書くのも一苦労です。

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2007.12.19(水)

鉄道

DSC_7990.jpg 東京に戻ってから生活が激変し、ブログの更新が大激減したHosoです。

 日曜は久しぶりに鉄道撮影をしてきました。そのことを書くのも3日遅れになってしまいました。

 今回撮影してきたのは、東北本線。仙台にいた時と違って(当たり前だけど)、関東の東北本線です。
 そこにかつての国鉄特急「ひばり」のリバイバル列車が走りました。上野と仙台を583系が往復しました。

 仙台にいた時に何度か撮影しておなじみの583系。首都圏のほうで見るのは初めてかもしれません。久々の再会でした。

 今回撮影した場所は、埼玉県蓮田市、東大宮─蓮田間です。鉄道写真ファンのあいだでは「ヒガハス」と呼ばれる有名撮影地です。
 直線区間の周囲は田畑で、編成がきれいに撮れるから人気なのでしょう。僕は最近の疲れもあって、現地には「ひばり」通過の1時間前に着くのが精一杯で、遅いことは十分承知していました。
 案の定、ズラリと並ぶ三脚。鉄道ファンがひしめきあい、「(構図に)入るから下がって!」などの声も飛び交っていました(笑)。
 今まで経験した鉄道撮影で最も中高生の姿が多かったように感じました。首都圏はそうなのでしょうか。

 この「ヒガハス」、訪れたのは今回が初めて。例によって国土地理院の地図で調べて、少し拍子抜けしました。
 それほど長いとはいえない直線区間の周囲が田畑に囲まれている。この程度の撮影地だったら、東北など地方ではゴロゴロ転がっています。
 こんなありふれた撮影地が、なぜ通称名がつくほど人気なのか。それは、東北本線の中でこういう写真が撮れる、東京から最も近いポイントだからでしょう。
 確かに、ここまでの沿線は建物だらけですから。

DSC_8005.jpg このあとは新宿に移動してニコンのショールームで最新デジタル一眼レフD3を試写。もう何回も通ってますが、自分のレンズで写すのは初めてでした。

 春に撤退する中央本線の201系を狙って、沿線で何度か撮影を試みましたが、いまひとつに終わりました。
 やはり都会は駅の外から撮るのは難しい。右の写真は四ツ谷駅です。
 それに、当然ながらすでにE233系への置換が進んでいるので、撮るのに一苦労でした。
 市ヶ谷で釣堀の釣り客とからめて撮ろうとしたら、201系が来るまで1時間も待つことになりました。

 かつて、常磐線の103系の末期に、もうほとんど103系が残っていないということもろくに知らず、運用情報も持たずに駅ホームで待ちぼうけしたことを思い出します。

 今回の使用カメラは、D2H。もしかすると、D2Hでの鉄道撮影はこれが最後になるかもしれません←ある意味深刻な発言(笑)。 

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2007.12.07(金)

 驚きました。来年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「だんだん」(大阪局制作)のヒロインに、三倉茉奈・佳奈が起用されるとのことです。

 僕が知る限りでは、同じ俳優が朝ドラの主役を2回務めるのは例がないと思います。
 いうまでもなく、この双子の姉妹は1996年の「ふたりっ子」でヒロインの幼少時代を好演。お茶の間の人気者になりました。

 とても可愛いマナカナ姉妹に、それ以来ずっと注目してきました(笑)。ただ、それほど多くテレビで見る機会はありませんでした。
 今では関西学院大の4回生。大人になってますますきれいになりました(*^^*)
 明るく、気さくで、すれたところや下品さがないのが魅力です。

 二人はテレビドラマへの出演は少なく、僕も「ふたりっ子」以来ほとんど演技を見たことがありません。
 なので、演技力は未知数。はたして朝ドラヒロインとして堪えうるのか。舞台での経験を信じて期待したいです。

 ちなみに、この二人、写真を撮るのが好きで、ブログに掲載している本人たち撮影の写真はなかなかのセンスを感じさせます。

 「だんだん」は、初めて島根県を舞台とする作品。松江市は僕も行って見たいと強く思う土地です。良作となることを願います。 

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2007.12.04(火)

DSC_7905.jpg 東京もだいぶ寒くなってきました。

こんな寒い夜は、おでんで温まることに(笑)。
一人分を作るのは大変だし、だいいちそういう時間も気力もありません。

 写真は、亀有にある「まづいや」で買ってきたおでん。その店名とともに、前から気になっていました。
 店内は居酒屋になっていて、おでんをつつきながら酒を飲む客がたくさん。持ち帰り販売もやっているのです。

 味は美味しかったです!感じのいい主人がたっぷりつゆを入れてくれます。
 かなり大振りな大根を入れられそうになったので、もう少し小さいものに変えてもらいました。それでも大きい。昆布は売り切れでした。

 ネット上で得た情報では、昔「これ、まずいや」と客にいわれたことがあるからこの店名にしたそうだとか!?

 なんと先日はテレビの取材が入っていたようでした。
 亀有では有名なようですね。

 だんだん食べ物を撮ることに慣れてきました(笑)。
 画面いっぱいに構成して、物が複数ある場合は位置を整えて、フラッシュはバウンスさせて、撮ったあとはレベル補正で食器が白飛びするくらい明るくするってだけですけどね。

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