東北に住んでからずっと行きたいと思っていた憧れの岩泉線についに行って来ました。
昨日のエントリーに書いたとおり、岩泉線は全国一運転本数が少ない(?)JRの路線です。
ここで僕が列車を基本的な移動手段として撮影するには、これ以上ない綿密な計画が必要となります。土曜の夜に前泊し、月曜の夜には仙台で予定があるので、実質1日半ほどの行程です。
今朝は5時台に宮古のホテルを出て、山田線を経て岩泉線に初乗車。宮古から茂市経由でそのまま岩泉線に直通する列車でした。
早速2駅目の岩手刈屋で下車。28分という短い時間で駅近辺でいい撮影ポイントを探しました。駅から歩いて15分ほどのところにひまわり畑を発見。もう時間もなくなってきたし、線路との距離も悪くないので、ひまわりとの組み合わせで列車を撮ることにしました。
それが1枚目の写真。わりと気に入っています。
次の列車で一気に浅内まで。一度押角峠を越えてしまうのが今日の計画のポイントです(笑)。
浅内駅で近所の初老の男性が列車に乗り込んで行きました。列車の右に見えるのはかつてSL時代に使われた給水塔です。
その上り列車をホームで見送ると、ここから岩泉線空白の8時間がやってきます(昨日9時間と書いたのはいい過ぎでした^^;)。
このあいだをどう過ごすか。今まで僕が岩泉線訪問に二の足を踏んでいたのは、この問題が解決しないからでした。
計画にあたって列車以外のあらゆる交通手段の可能性を調べました。そこで、浅内から町民バスで岩泉駅近くまで行き、その後タクシーで龍泉洞へ向かいました。
国指定天然記念物で日本三大鍾乳洞といわれる龍泉洞を見学してきました。
無数の鍾乳石を見て自然の力による造形のすごさに感嘆。40m以上に及び、世界有数といわれる地底湖の透明度は看板に違わず、光の届く限界まで透き通って見えました。
コバルトブルーの水の色が美しく、一度は見る価値があるところです。洞の中は気温16℃ほどで、1時間近くいると寒くなりました。
龍泉洞からバスで三陸海岸の小本へ抜けました。小本から三陸鉄道(初乗車)で宮古へ、ぐるっと周って一戻り。宮古で昼食に新さんま定食を食べ(焼きも刺身もうまかった!)、再び山田線経由で岩泉線へ。この路線のハイライトの押角を目指しました。
いわゆる「秘境駅」として有名になりつつある押角駅。周囲に人家はほとんどなく、大自然の中の駅です。岩泉線は鉄道沿線としては全国有数の熊出没地帯なので、熊除け鈴を足につけてコロンコロンと音を立てながら歩きました。
国道340号線を40分かけて歩き、押角峠へ。視界が開けた地点からの眺めは餘部の時とはまた違う絶景。山間にレールがわずかに顔をのぞかせていました。
あまりに絶景過ぎて、というより生長した木の緑が濃すぎて、肉眼で押角駅を確認することが難しく、最初にキハ52標準色を撮影した時には駅の存在を見つけられないという失敗を。
悔しいのでその場でもう1時間待って19時近くの列車を撮ろうとしましたが、もちろん日没後で真っ暗。スローシャッターで撮ったら駅と列車の明かりが遠くでこうこうと光って、なんだかわからない写真になってしまいました。
押角峠から駅までの帰路はさすがに心細いものがありました(笑)。懐中電灯を消すと月明かり以外に光がない世界。それでも行きより飛ばして30分で駅まで下りました。
押角駅で列車を待つ30分も、今まで体験したことのない時間でした。駅には蛍光灯がついているものの、周りは闇に沈んだ森。熊が来ないよう時々鈴を鳴らしたりして列車を待ちました(笑)。
明日の早朝も1本列車を撮って、仙台へ戻ります。岩泉線の雰囲気は、キハ52、58という古参の車輌とともに最高。無理してでも来てかったと思える旅です。
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