2007.07.01(日)

NHK朝ドラ「どんど晴れ」への苦言

 NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「どんど晴れ」の放送開始から3ヶ月が過ぎました。
 開始からわずか10日の時点で「黄信号」と書いた僕ですが、意外にその後も順調に観続け、折り返し地点に。おそらく最終回まで観続けられそうです。

 前回の記事で既に指摘したことを含め、「どんど晴れ」には色々と違和感を覚えることがあります。
 でも、朝ドラファンとしてある程度のことには目をつぶろうとも思います。

 浅倉夏美(比嘉愛未)が加賀美征樹(内田朝陽)になぜそこまで惹かれるのかよくわからないことも、夏美が自分の人生を大きく変えてまで老舗旅館の女将になりたいと言い出す動機が十分には鮮明でないことも、さらには、自分が女将になりたいということでその老舗旅館の後継者問題を複雑にさせるということに夏美がなんら頓着しないということ、あげくに征樹との婚約を解消してまで女将修行するという何だか頭が混乱してくることにも、違和感をこらえて目をつぶろう。

 いかにも夏美の恋敵登場とばかりに、征樹の元恋人で同僚役で出てきた相沢紗世があまりにベタ過ぎて、その演技もちょっと微妙。…だけど相沢を責めるのはちょっと酷で、やっぱり脚本の問題だろう。
 高橋元太郎、鈴木正幸という、日本を代表する超定番ドラマで長く演じてきたバイプレーヤーを起用しながら、その持ち味が活かされているのかいないのかちょっと微妙なところも、
 ことあるごとに夏美を「座敷わらし」に重ねようとするのが少しおしつけがましくないか?ということも、
 女将修行のライバル・彩華(白石美帆)の登場も、一瞬老舗旅館の乗っ取り画策か!?と思わせて、なんだか「天花」に加えて「ほんまもん」テイストも加わってきた…?

 ――ということ、一切合財みんな目をつぶろう(笑)。

 だけど、どうしても我慢できないことが一つあります。それは、加賀美屋の仲居たちのことです。
 ドラマを盛り上げるために、夏美に降りかかる困難を描こうとするあまり、夏美に冷たくあたる仲居たちの言動が非常に品の無いものになっています。板長もあまりにも人間としての器が小さく描かれています。
 一部の仲居たちがやっていることは、夏美に対する陰口や陰湿ないじめそのものです。

 これが、伝統と格式を重んじる老舗旅館「加賀美屋」の仲居なのかと驚くばかり。僕だったら、絶対にこの旅館に宿泊したくはありません。
 これが盛岡一の老舗旅館という設定では、盛岡のイメージダウンにもつながりかねないのではないでしょうか。
 最前線で宿泊客に接する仲居たちがこれでは、おもてなしを身上とする加賀美屋の精神はいったいどこにいってしまったのかと思います。

 NHKの公式サイトによれば、脚本を努める小松江里子氏は、「相手を敬い、思いやりを持ち、笑顔で迎え入れる、そんな『もてなしの心』」を描くといっています。
 チーフ・プロデューサーの内藤慎介氏は、「思いやり」や『気配り』といった、古くから日本人が大切にしてきた価値観を『老舗旅館』という場を借りて改めて見つめ直すドラマにしたい」と意気込んでいます。

 あの仲居たちの描写は、こうした抱負と明らかに矛盾するものではないか。夏美が「もてなしの心」を会得する舞台であるはずの加賀美屋にその心は生きていないのか、疑問がわきます。
 物語の核となる部分でのことだけに、とても残念です。

 脚本にこうした矛盾や無理がある中で、ヒロインの比嘉愛未は演技面でなかなか健闘していると思います。
 夏美の親友役として出ている川村ゆきえも連続ドラマ初出演ながら、予想を大きく上回る好演をしています。
 草笛光子、長門裕之という大俳優の演技は僕をホッとさせてくれます(笑)。

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コメント(10)

Hosoさん、こんばんは^^
見続けている理由が最後の6行だけというのが笑える^^;

>>みつたけくん

ははは。まあずいぶん突っ込みどころの多いドラマだね。
見続けられているのは川村ゆきえのおかげかもしれんな(笑)。

こんばんは、Hosoさん。またまたお久しぶりです。

僕は、夏美が再び仲居修行を始めた頃まではなんとか見ていました。
けれども彩華の登場と、予想通りの展開というか、ご指摘の通りの中居たちによる夏美包囲網が見るに耐えなくなり、挫折してしまいました。

盛岡が舞台ということで期待していたのですが、残念ですね…

>>まかろにさん

ヒロインの前に立ちはだかる困難を描こうとしたのでしょうけど、あの「夏美包囲網」は朝から気持ちを不快にさせるものだったのではないでしょうかね。
もっと違うストーリー展開にできなかったものかと、残念ですね。

HOSOさんのご意見全く同感です。小松絵里子氏は大阪で放送されていた30分ドラマの部長刑事の台本を書かれていたようで、30分で集結する、短編ものがお得意なのでしょう。人物像があまりに変わっていく様は、この辺りに理由があるような気がします。草笛光子氏がスタジオパークに出演なさったときに、少し苦言を言われた様に思いますが、今 分かるような気がします。演者の方々にも、台詞の流れに違和感があるのではと思うシーンがあり、大俳優の演技にホットさせられるのは同感ですが、同時につらさも感じてしまいます。 

>>Joeさん

初めまして。コメントありがとうございます。
同じように感じていらっしゃったんですね。
小松氏についての知識もありがとうございます。

しかし、草笛光子さんがどんなことをいったのかとても気になります。教えていただけるとありがたいです。

どんど晴れの視聴率が上がり良かったですね。新人さんながら良く頑張っておられますね。
ドラマは後半、あとわずかですね。また伸一さんが一波乱の予想??どこまでひねくれているのでしょうか?[
でも、また柾樹の株が上がりそう。
伸一はもう出なくていいです。大株主になっていながら損することだけのやり方、バカみたい.........
ドラマの主人公は柾樹と夏美です。柾樹が必ず解決するようになっているから心配ないと思いますが?[ 最後の悪あがきでしょう??

>>さかなさん

初めまして。コメントありがとうございます。
このところ転勤、引越しがあり、なかなかブログを更新できていませんでした。

ヒロインの比嘉愛未はなかなか頑張っていると思いますね。
やっぱり伸一さんのキャラ設定は最初から違和感ありましたね。

朝ドラ「どんど晴れ」どうにかまだ見ています。
「こころ」も共感できなくて困りましたが「どんど晴れ」はもうどうにもならないほど共感できません。
夏美の心の動きにも、どの女性も呼び捨てにする柾樹にも違和感を覚えます。
今日のエピソードでは乗っ取り屋を相手に良心に訴えようとする夏美。
この脚本家は世の中のことを何も知らないで脚本書いてるのかなぁ。
こんな脚本で芝居しなくてはならない草笛光子さん、長門裕之さん以下俳優陣は気の毒です。

>>さとやんさん
コメントありがとうございます。返信が遅れて失礼しました。
申し訳ありませんが、僕は今月転勤に伴って転居し、仕事も忙しく、部屋の片付けも遅れて忙しくしていまして、ドラマも録画したビデオが溜まっている状態です。
「どんど晴れ」も、かなり溜め込んでしまっていまして、今のストーリーについてすぐにコメントできません。
落ち着きましたら、またコメントさせていただきます。

それにしても、このエントリーへのコメントの多さに少し驚いています(^^

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