「かつてないくらい、テツに対する確かな追い風が吹いている…ような気がする」。週刊「ザテレビジョン」5月18日号、「特急田中3号」特集の冒頭の言葉だ。もしかするとこの連載タイトルが真似されたのかもしれない(笑)。
冗談はさておき、最近テレビで鉄道そのものや、鉄道ファンの熱中ぶりが取り上げられる機会が急激に増加していることは事実だ。
今夜もTBS系の「学校へ行こうMAX」で大学生の鉄道マニアのところへ、V6の坂本、三宅とアイドルの夏帆が訪れて彼らの熱中ぶりにふれるという企画があった。
その冒頭では「いま、空前の鉄道ブーム」と断言していた(笑)。まあこれは、この企画自体を含めて同局が放送している「特急田中3号」の番組宣伝を狙ってのことだろう。真に受けてはいけない(笑)。
昨年の9月7日にはNHK-BS2で「熱中時間 忙中"趣味"あり」の特番「鉄分補給スペシャル!! ~鉄道熱中人大集合~」が放送された(僕はBSが見られないので後日総合での再放送を見た)。
ここでは、それぞれに見る者をうならせるマニアが登場。自宅に本格的な駅舎を再現した男性の時は、硬券の切符に日付を印字する機械や腕木式信号機の登場に、スタジオ観客席の鉄道マニアたちからも歓声がおこった。
また、駅員・車掌マニアという女性は、目の前にいる個別的な車掌さん個人というより、それらを抽象した「車掌なるイデア(理念)」に魅かれるという話をしていて異彩を放っていた。だが、これにも僕は共感した(笑)。
NHKでこういう濃い鉄道オタクの実態を2時間にわたって特集するということは異例だろう。もっとも、この番組を一般の人が見ていたかというと、甚だ疑問だが(笑)。
しかし、一般の人が多く見る番組でも、鉄道や鉄オタが小ネタにされることが増えてきた。それは最近のドラマに見られる。
「オタク」の市民権を決定的なものにしたドラマ「電車男」(2005年、フジテレビ系)。いうまでもなく、このタイトルは鉄道趣味や鉄道ファンとは一切関係ない。しかし、このドラマの脇役の1人は鉄道マニアで、車掌の真似をして鉄道模型のNゲージを走らせていた。
「ダンドリ。」(2006年、フジテレビ系)では、高校の数学教員ら(国分太一ら)が数学準備室でやはりNゲージを走らせていた。Nゲージだけでなく、休日にカメラを持って鉄道に乗りに行くシーンもあった。
「きらきら研修医」(2006年、TBS系)では、院長役の原田芳雄がやはり院長室でNゲージを、それもなぜかキハ187系をいつも走らせていた。原田はいわずと知れた鉄道、Nゲージマニアである。
このように、ドラマのワンシーンや小ネタに、鉄道マニアがかなり意図的に描かれる機会が激増した。これは今までなかったことであるし、おそらく一時的な現象であると思われる。
鉄道は、日本では例えばクラシック音楽とか、将棋とか、写真ほどには趣味として一般的に認知されてはいない。だから、ドラマのワンシーンとしてその熱中ぶりを描くのはあまり自然ではなく、今後も続くとはあまり思えない。
今、こういうシーンが多く見られるということは、今が、鉄オタが社会的な一つの関心事になっている時期だということを示しているのではないだろうか。(続く)



コメントする