NHK朝の連続テレビ小説「純情きらり」
4月30日の「日々雑感」でNHK朝の連続テレビ小説「純情きらり」について批評してから4ヵ月半が経ちました。まだ放送開始から1ヶ月足らずの時点で早くも「名作誕生の予感」と書きましたが、その後も期待に違わぬ展開。最終回が近いのが信じられません。これほど時間をあっという間に感じさせる連ドラは初めてです。
前回書いた時点ではまだ垣間見える程度だった戦争への批判と、戦時体制に向かっていく中での言論・思想弾圧をどうドラマが描いていくのかが注目でした。
ドラマは、NHKの制作したものとは思えないほど、この問題を描き出しました。主人公・有森桜子(宮﨑あおい)の姉・笛子(寺島しのぶ)が学校で「時勢に合わない」として「源氏物語」を教えることを禁じられる、東京音楽学校の教師で桜子の才能に注目する西園寺公麿(長谷川初範)が軍部から軍歌の作曲を命じられて苦悩する、桜子が東京で出会った画家の杉冬吾(西島秀俊)らの展覧会が特高警察に弾圧される──と、自由と権利が締め付けられて侵略戦争へと突き進んでいく当時の日本の状況が再現されました。
NHKの朝ドラで戦争と当時の体制についてここまで踏み込んで表現した作品はありません。
ドラマは桜子と、岡崎の味噌蔵元「山長」の跡取りである松井達彦(福士誠治)との恋を軸に進んでいきました。以前から桜子に思いを寄せていた達彦。競い合うように同じピアノの道を目指した二人はやがて、達彦が老舗の跡取りとやりたい音楽との間で激しく葛藤し、それを桜子が支える中で次第に距離を縮めました。東京のアパート「マロニエ荘」のピアノで「きらきら星」を連弾しながら、「私はずっと達彦さんの味方だよ」といってそっとキスする桜子。名シーンの一つでした。
「山長」の当主である父の急死で音楽の道をあきらめて家業を継いだ達彦。達彦にも召集令状が来て入営、そしてついに戦地へ旅立ちます。出征の報を家族や周囲の人たちが一様に暗い顔で受け止め、「生きて帰って」と送り出す。こうしたシーンも今までNHKの作品ではなかなか見られませんでした。
今回脚本を書いた浅野妙子さんも、「このドラマを書いているときも、『正面きって反戦をうたうと、たたかれるぞ』という雰囲気を感じることがありました。それでも、あえて伝えたいことは伝えたい」と語っています。
達彦の去った「山長」を若女将として支え、やがて達彦の母で女将の松井かね(戸田恵子)とも心を通わせていく桜子。一時は達彦が戦死したのではと絶望に打ちひしがれ、東京と岡崎の空襲で戦火の中を家族と支えあいながら必死で生き抜いていきました。
そしてついに、敗戦から1年以上が過ぎて、桜子は岡崎に生きて帰って来た達彦と再会。このシーンに「冬のソナタ」のラストシーンと通じるものを感じたのは僕だけでしょうか(笑)
「戦地で戦友を死なせた」とトラウマに苦しむ達彦を支える決意をした桜子。周囲の人たちの力のおかげもあって、達彦が少しずつ自分を取り戻し、桜子に心を開いたシーン(9/14放送分)。目頭が熱くなりました。
まだ書きたいことが残っていますが、長過ぎるので一旦ここまでにします(笑)。
- 「純情きらり」DVDを購入(2007/05/03)
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コメント (2)
コメントを書いていたら更新されていたので、こちらにもコメントを^^;
我が家でも好評価のこのドラマですが、我が家では戦時中の話にやや不満点が・・・
・出来事が多く冗長になった(無理に話を伸ばそうとしてるかのよう)
・主人公の行動が「純情」じゃない(- -;)
最近はまた物語が動き出して、良い感じです^^
by みつたけ | 2006.09.15(金) 00:19
日時: 2006.09.15(金) 00:19
>みつたけくん
まあ、100点満点のドラマなんてそうはないので、多少のことには目をつぶってます(笑)
でも、満点に限りなく近いドラマだと思う。
桜子は十分純情だと思うけどな。
by Hoso | 2006.09.15(金) 12:17
日時: 2006.09.15(金) 12:17