2006.04.25(火)

福知山線事故から1年

 安全よりも利益を第一としたJR西日本の経営姿勢によって107人の尊い命が奪われた、福知山線脱線転覆事故から1年になりました。今日の午前9時18分には僕も簡単ながら黙祷をし、ネクタイは黒に近い色のものを選びました。

 事故の根本的な原因は、安全ではなく「稼ぐ」を第一目標に掲げるようなJR西日本の体質からくる、安全面での設備投資の遅れ、過密ダイヤ、運転士をはじめ職員に対する圧迫的な労務管理であることが明らかになっています。
 JR西日本の山崎正夫社長は同社主催の追悼式典で「申し訳ございませんという言葉以外、私には言葉が見つかりません」とのべました。しかし、お詫びの気持ちが本当にあるのならば、JR西日本がこれまで安全をかなぐりすてていたことをはっきりと認め、それを改めるという姿勢を見せるべきではないでしょうか。そうしなければ、この事故を起こしたことへの反省にもならず、今後こうした事故を起こさないという決意にもなりません。

 そういう姿勢がないからこそ、多くの遺族が「JRは説明責任を果たしていない」と不信感を募らせているのだし、伯備線での保線作業員の死亡事故のように過ちが繰り返されてしまうのです。
 「合理化」などという言葉で大切なものを切り捨ててきたツケは重い。伯備線の事故のあと、線路の見張り役を上下両方向に置くことを検討したものの、それを実現できないほどに職員を削減してしまっていることにも現れています。

 事故の根本をさらに突き詰めると、資本主義社会で利潤を追求する企業の本性と、交通輸送という公共的機関の役割との矛盾にまで行き着くのではないでしょうか。民営化や規制緩和を進めてきた政府、自民党を始めとする政党、その害悪を告発して来なかったマスコミにも責任があると思います。
 JR西日本が自浄能力を示せない以上は、航空・鉄道事故調査委員会が事故の根本原因をしっかり解明することが絶対に必要です。そのことなしに遺族、被害者の傷が癒されることは絶対にないでしょう。

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